「大雨が降ると天井や壁や柱に染みができるんだけど、すぐに乾いてしまうし、普通の雨では、何とも無いんでまあいいか・・・」なんて軽く考えていると知らないうちに「家」はどんどん傷んでしまいます。雨が漏れていれば、もちろん早急に手を打たなければなりませんし、そうでなくとも防水層には、必ず寿命がありますのでチェック・メンテナンスが必要です。
【1.トップコート 「表面の色」の劣化 「太陽の光が大敵!?」】
FRP防水他塗膜系防水では、防水層を保護する意味も含めて「トップコート」いわゆる「色」が塗布してあります。この色は、紫外線によって継時劣化し、劣化が進むと直接防水層が紫外線にさらされ、防水の機能を損なうこととなってしまします。「色」の変化は毎日生活している中では、なかなか気づきにくいかもしれませんが、手で触ってみて粉っぽい色がついたりすると警戒信号です。新築時の色見本と比較してみるのも一目瞭然です。材料メーカーの仕様では、「色」のメンテナンスは5年毎を推奨しています。
※「紫外線」とは?
波長が可視光線より短く軟X線より長い不可視光線の電磁波。光のスペクトルで紫よりも外側になるのでこの名で呼ばれます。赤外線が熱的な作用を及ぼすことが多いのに対して、紫外線は化学的な作用が著しいので化学線とも呼ばれます。
【2.クラック 「建物は動いている!?」】
建物は風・地盤の振動などの影響を受けて軽微な動きをしています。建物の構造によって動きにも差がありますが、その影響を受けて防水層の下地のジョイント部分にも動きが生じ、防水層にクラックが入ることがあります。軽微なものは問題ありませんが、大きなものになるとトップコートだけでなく、防水層までクラックが入り、漏水の原因となります。
【3.浮き】
塗膜系防水やシート防水の密着工法において下地との密着が悪くなると下地と剥離して浮きが発生します。浮きの中の空気は逃げ場所がなく、温度に高低によって膨張収縮を繰り返し、その力によって防水層が破断する恐れが出てきます。屋上のシート防水などは知らないうちにテント状態になっていることもありますので要注意!
具体的な方法は、それぞれに防水工法によって異なりますが、まずは、専門家による診断が不可欠です。痛む前にメンテナンスを施せば経費を軽く済みますし、建物も長持ちします。前項で述べたチェック項目をしっかりと診断して最良の方法をご提案させていただきます。
擁壁・鉄筋コンクリート建物・住宅の基礎・橋脚などのコンクリート建造物は、経年変化・立地条件などによってひび割れ・モルタルの浮きなどの欠損が生じてきます。そのまま放置しておくとモルタルの欠落・コンクリートの中性化など建造物の強度・美観に大きなダメージを与えます。エポキシ樹脂は、接着性・強度・強靭性に優れた高分子材料で、クラックや浮き内部に注入や充填することによってコンクリートの劣化を防ぎます。
[1. クラック補修]
エポキシ樹脂を充填しやすくする為に、クラック部分をグラインダーでVカットして広げます。清掃、プライマー塗布後弾性エポキシ材を充填して仕上げます。
[2. モルタル浮き補修]
テストハンマーによる打診音で浮き部分の範囲を確認し、ドリルで樹脂を注入するための穴を開けます。清掃後、グリスポンプ等で樹脂を注入します。最後にモルタルと樹脂を結合するためにステンレスピンを挿入します。